庭やベランダで蜂を見かけた際、咄嗟に逃げるべきか、そのままにしておいても良いのかを判断するには、主要な蜂の種類と見分け方を身につけておくことが非常に役立ちます。まず、空中で静止するようなホバリングを行い、こちらを観察しているような動きを見せるのはスズメバチの仲間であることが多いです。スズメバチは全体的にがっしりとした体格をしており、飛び方も力強く、警戒心が強いため、近くで巣が作られている場合は執拗に周りを飛び回る警告行動をとります。これに対し、長い後ろ脚をだらりと下げて、ふわふわと頼りなげに飛ぶのはアシナガバチの典型的な飛び方です。アシナガバチはスズメバチに比べて体が細く、ウエストの部分がよりくびれているのが見分けるコツです。また、全身が真っ黒で丸っこい体型をし、ブーンという大きな音を立てて飛ぶのはクマバチです。見た目は恐ろしいですが、クマバチは非常に温厚な性格で、オスは針すら持っていないため、こちらから攻撃を仕掛けない限り刺されることはまずありません。ミツバチは体長が一センチメートル強と小さく、体には細かい毛が生えていて、どこか可愛らしい印象を与えます。彼らは花の蜜や花粉を集めることに専念しているため、巣を直接襲わない限りは攻撃してきません。蜂の種類を見分ける上で、もう一つの大きな手がかりは「色」の配置です。全体的に黄色みが強いのがキイロスズメバチ、オレンジ色が濃く頭が大きいのがオオスズメバチ、そして黒と黄色の縞模様がくっきりしているのがアシナガバチという傾向があります。ただし、飛んでいる最中に細かな模様を確認するのは難しいため、まずは「飛び方の速さ」と「音の大きさ」、そして「体のボリューム感」で判断することをお勧めします。蜂は本来、無意味に人間を襲う生き物ではありませんが、種類の違いを知ることで彼らの「パーソナルスペース」を理解し、お互いにとって不幸な接触を避ける知恵を持つことができます。もし、種類の判別がつかない蜂が自分の周囲を離れない場合は、パニックになって手で払ったりせず、姿勢を低くして静かにその場を離れることが、どのような種類の蜂に対しても有効な共通の防衛策となります。