家の周りで大量のユスリカ(蚊柱など)に悩まされている場合、飛んでいる成虫を追い払うだけでは、根本的な解決にはなりません。彼らを減らす最も効果的な方法は、その幼虫である「赤虫」が繁殖する場所、すなわち「発生源」をなくすことです。赤虫は水の中でしか生きられないため、対策のターゲットは「家の周りの水たまり」です。意外な場所が、赤虫の大量生産工場になっているかもしれません。まず、最初にチェックすべきは、家の敷地内にある「淀んだ水」です。雨水が溜まったままになっている古いバケツや空き缶、植木鉢の受け皿、古タイヤなどは、ユスリカにとって格好の産卵場所です。彼らは、ほんのわずかな水たまりでも繁殖することができます。不要な容器は逆さにするか処分し、植木鉢の受け皿の水は、水やりのたびに捨てる習慣をつけましょう。次に見落としがちなのが、家の「側溝」や「雨水マス」です。これらの場所は、落ち葉や泥が溜まりやすく、常に水が溜まっている状態になりがちです。これが、赤虫にとっては絶好の住処となります。定期的に蓋を開けて内部を点検し、溜まった泥や落ち葉を清掃して、水の流れを良くすることが、ユスリカの発生を抑制する上で非常に重要です。清掃が難しい場合は、自治体に相談するのも一つの方法です。庭に池や睡蓮鉢があるご家庭も注意が必要です。水の流れがなく、淀んでいると、そこが大規模な発生源になる可能性があります。小さなソーラーポンプなどで水を循環させたり、ユスリカの幼虫(赤虫)を食べてくれるメダカや金魚を飼育したりするのも、有効な生態的防除法です。ユスリカ対策は、成虫を寄せ付けないことと同時に、幼虫である赤虫を育てないことが車の両輪です。家の周りを改めて見渡し、小さな水たまりを一つずつなくしていく地道な努力こそが、不快なユスリカの大群から解放されるための、最も確実な道筋なのです。
赤虫の親「ユスリカ」を増やさない!家庭でできる発生源対策