家の中でムカデに遭遇した時の対処法
もし家の中で、あの黒光りする体に無数の脚を持つムカデに遭遇してしまったら、誰もがパニックに陥ってしまうことでしょう。しかし、そんな時こそ冷静さを保ち、安全かつ確実に対処することが求められます。絶対にやってはいけないのは、驚きのあまり素手で触ろうとしたり、スリッパなどで叩き潰そうとしたりすることです。ムカデは非常に攻撃的で、刺激を受けると反射的に噛みついてきます。その牙には毒があり、噛まれると激しい痛みに襲われます。また、中途半端に叩くと、さらに興奮して暴れ回る可能性があり危険です。最も安全で効果的な対処法の一つは、熱湯をかけることです。ムカデの体を構成するタンパク質は熱に非常に弱く、五十度以上のお湯をかければ、ほとんど即座に動かなくなります。火傷には十分注意しながら、電気ケトルややかんで沸かしたお湯を、距離を保ちながら慎重にかけましょう。ただし、床や壁の材質によっては熱湯が使えない場合もあります。その場合は、殺虫剤の使用が有効です。ムカデ専用のスプレーが最も効果的ですが、手元にない場合はゴキブリ用の殺虫スプレーでも代用が可能です。ムカデは生命力が強いため、一度の噴射では仕留めきれないことも少なくありません。動きが完全に止まるまで、安全な距離から数秒間噴射し続けることが重要です。薬剤を室内にあまり使いたくないという方には、瞬時に凍らせて動きを止めるタイプの冷却スプレーもおすすめです。物理的に捕獲するならば、決して素手は使わず、四十センチ以上の長さがある火ばさみやトングを使用してください。捕獲したムカデは、そのままビニール袋に入れて口を固く縛り、可燃ゴミとして処分します。どのような方法を選ぶにしても、まずは自分自身の安全確保を最優先し、落ち着いて行動することを心がけてください。