ゴキブリを一匹見つけてしまった。その瞬間から、これまで安らぎの場所であったはずの我が家が、無数の敵が潜む危険な領域に見えてくるものです。一匹を駆除したとしても、仲間がどこかに隠れているのではないかという不安は簡単には拭えません。ゴキブリ対策を効果的に行うためには、彼らが好んで巣作りをする、家の危険な隠れ場所を正確に把握することが不可欠です。まず、最も警戒すべき場所は、言うまでもなくキッチンです。特に、冷蔵庫や電子レンジの裏側は、家電のモーターが発する熱で常に暖かく、ゴキブリにとって最高の越冬場所や繁殖拠点となります。また、シンク下の収納スペースは湿気がこもりやすく、配管周りの隙間が格好の隠れ家となります。これらの場所は、豊富な餌と水分、そして暖かさという、ゴキブリが生きるための三つの条件が揃った一等地なのです。次に危険なのが、洗面所や風呂場などの水回りです。洗濯機の下や裏側、洗面台の下の収納内部は、湿気が高く暗いため、彼らにとって非常に居心地の良い空間です。髪の毛や石鹸カスなども餌となるため、定期的な清掃が欠かせません。意外な盲点となるのが、テレビやパソコン、Wi-Fiルーターといった家電製品の内部や周辺です。これらの機器も常に熱を帯びており、内部の複雑な構造が安全な隠れ家を提供します。長年動かしていない家電の裏は、巣になっている可能性も考えられます。そして、もう一つ注意したいのが、押し入れやクローゼットに溜め込んだ段ボールや古新聞の山です。段ボールの波状の隙間は、ゴキブリにとって絶好の産卵場所であり、保温性と保湿性にも優れています。不要な段ボールは溜め込まず、速やかに処分する習慣をつけましょう。これらの危険な隠れ場所を把握し、定期的にチェックし、ベイト剤(毒餌)を設置することが、潜んでいるゴキブリを根絶するための重要な戦略となります。
ゴキブリが潜む家の危険な隠れ場所